猫を保護する活動を
していらっしゃる方のところから
うちにやってきたときは
まだ子猫だったマックス。
ペットというものを飼うのも初めて。
その初めての猫は黒猫でした。
動物を飼うことも
猫を飼うことも
知らないことだらけだったけれど
ひとつひとつ、その都度その都度
一緒に経験して
マックスは母娘二人の家で
大事な家族になりました。
ひとりで毎日留守番させられるのは
嫌なんだよ!と猛烈にアピールされて
困り果てているところに
やってきたのが白猫キャスパーで
男の子同士なのに、
とても仲良しになってくれて
ほっと胸を撫で下ろしたのでした。
また家族が増えて、
気づけばマックスはいつの間にか
立派な大人の雄猫になっていました。
最高時には9kg近くあった大きな猫で
見た目は黒豹のようだったけれど、
気性は穏やかで、優しい猫。
娘が社会人になり
ひとり住まいになっても
ひとりじゃなかった。
猫たちがいてくれたから。
歳とともに、少しずつ体重も減ってきて
できることも減ってきたけれど
元気で、マイペースで、
甘えることがどんどん上手になって
横で眠ってくれるようになってました。
一緒に歳を重ねて
ちょうど、私と同じくらいの年齢になり
少なくともあと5年は
一緒にいられると思い込んでたよ。
昨日の夜、死んじゃった。
娘が帰ってくるまで頑張って
私たちが寝落ちするほど遅い時間でもなく
娘と一緒に看取ることができました。
最後は本当に本当に本当に
つらそうで、しんどそうで
ずっと眠れずに苦しんでる姿を見てたから
全部終わった時には少しほっとして
よく頑張ったね。
悲しいけれど、
もう逝って大丈夫よって。
娘と一緒に目が溶けるほど泣きました。
あまりにも急であっけなくて
でも、ちゃんと
最後に少し面倒をみさせてくれた。
生き物と暮らすことの
大変さも喜びも
全部マックスが教えてくれました。
誰かが待っててくれる家に帰るのは
嬉しいことだったよ。
いつもドアの前まで迎えにきてくれるのは
マックスだったよね。
マックスが食べなくなってから
餌のお皿がひとつになり
水の器もひとつになり
それも全然減らないの。
ほとんど全部君が食べて飲んでたんだね。
何を見てもまだ泣いてしまうけれど
生と死は、決まってて
ここでこんなふうに亡くなることは
決まってることだから
もっとああしてあげれば良かった
こうしてればなんて
考えなくてもいいんだよって
言ってくださった人がいて
その言葉に慰めてもらいました。
そういうのはね、
それぞれの考え方で捉え方で
正解も誤りもないんだろうと思う。
でも、少しでも楽になるなら
そういう風に考えていいとも思う。
もうひとつ、ペットを飼ってる人たちの
寓話みたいなもんだと思うけれど
自分が死んだ時に、
天国か何かの入り口に
彼らは迎えにきてくれるんだって。
そうか、また会えるのかって思うと
待っててねって思えて
少し楽になるから
これも、そんな風に思うことにします。
白猫のキャスパーは
ひとりっ子になっても
多分大丈夫なタイプだと思うけど
どうだろうね。
君はもう少し、長生きしてね。
一緒にもうしばらく
いてちょうだいねって
祈るような気持ちよ。
猫1匹。
人間じゃないから
亡くなったとも、
息を引き取ったとも
書くのは違う気がして
虹の橋を渡りましたという言い方も
背中がくすぐったくなってしまうから
死んじゃったとしか言えなかった。
うちに来てくれてありがとう。
会えて、一緒に暮らせて、
本当に嬉しくて楽しかったよ。
待っててね、マックス。
また会おうね。